リウマチ膠原病疾患

Q:リウマチ膠原病はどのような病気ですか?

リウマチ膠原病とは、1つの病気の名前ではなく、全身の皮膚や内臓に炎症が起こってしまうような複数の病気の総称です。

 特徴の1番目として、自己免疫現象があります。これは、本来ウイルスや細菌など外敵と戦うべき免疫が、自分自身を攻撃してしまうような現象です。古典的リウマチ膠原病としては6つの病気が分類されていました。関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、結節性多発動脈炎、リウマチ熱の6つです。最近では、リウマチ熱は細菌に対するアレルギー感染であることが明らかになりました。混合性結合組織病、血管炎、ベーチェット病、成人スティル病など多くの疾患が加えられています。共通する症状として発熱、関節痛、筋肉痛、発疹、指先が白くなる(レイノー現象)などがしばしば見られます。これらの症状は反復したり、さまざまな箇所に生じたりと、リウマチ膠原病には多様性があることから、まさに「流れる」ような特徴があり、これが2番目の特徴で、リウマチの「rheuma」とは古代ギリシャ語で流れるという意味です。また、これらの炎症病態の多くが膠原線維を有する結合組織に生じることから、これが膠原病の由来になり、3番目の特徴です。このような特徴を有する疾患群ですが、最近は、リウマチ膠原病という呼称から免疫介在性炎症疾患という呼び方に変わりつつあります。

Q:リウマチ膠原病は治りますか?

リウマチ膠原病は残念ながら、風邪のように治癒するというわけにはいきません。

 病気がよくなった状態を「寛解」と言いますが、治療により寛解状態にすることができます。特に、治療を終了しても寛解の状態が続くことを完全寛解といいます。数年、数十年と完全寛解が続くこともあり、この場合はほとんど治癒と言ってもいいかもしれません。

このシリーズでは、今後、個々の免疫介在性炎症疾患について最近解明されたことや、新しい治療法、現在話題となっていることなどを順次概説していきます。

桜十字病院 院長補佐 リウマチ膠原病内科 中村 正

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